
経営・管理ビザは、日本で事業の経営を行う、または管理業務に従事する外国人に発給される
在留資格です。会社経営者、役員、事業を営む個人事業主、管理職などが対象となります。
2025年10月16日、経営・管理ビザの許可基準が歴史的な厳格化を迎えました。
従来の資本金500万円という要件は諸外国と比較して著しく低く、
経営実態のないペーパーカンパニーや移住目的での悪用が指摘されていました。
経営管理ビザでの在留者は2024年12月時点で約4万1,000人に達し、
5年前と比べて5割増加していたことも、今回の改正の背景となっています。
改正前は「資本金500万円以上」または「常勤職員2名以上」のいずれかを満たせばよかったところ、新制度では資本金3,000万円以上と常勤職員1名以上の両方を満たすことが必須となりました。
法人の場合は払込済資本金または出資総額が3,000万円以上、個人事業主の場合は事業所確保や設備投資など事業のために投下された総額が3,000万円以上であることが求められます。
新たに雇用が義務付けられる「常勤の職員」は、日本人、特別永住者、永住者、
日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者に限られ、就労ビザ保持者は対象外です。
雇用した職員の給与支払記録や住民票の提出が求められるため、
名義貸しのような便宜的雇用は発覚しやすくなります。
申請者または常勤職員のいずれかが、日本語教育の参照枠におけるB2相当以上の日本語能力を
有することが必要です。具体的には、日本語能力試験N2以上の認定またはBJTビジネス日本語能力
テスト480点以上が求められます。
経営者として申請する場合、経営管理に関する博士・修士・専門職の学位、
または申請事業に必要な技術・知識に係る分野の学位のいずれか、
あるいは3年以上の経営または管理の実務経験が必要です。
事業計画書について「経営に関する専門的な知識を有する者による評価」が新たな要件として
追加され、事業の実現可能性や収益性について専門的な視点からの評価が求められます。
施行日の前日(2025年10月15日)までに申請が受理されていれば、改正前の旧基準が適用されます。
ただし、審査自体は通常通り厳格に行われます。
改正前から経営・管理ビザを保有している外国人については、施行後3年間(2028年10月16日
まで)は新基準を満たしていなくても、経営状況が良好で法人税等の納付義務を適切に履行し、
次回更新申請時までに新基準を満たす見込みがあるときは、総合的に判断されます。
2025年7月からは経営管理ビザ更新申請時に「直近の在留期間における事業活動の内容説明文書」
の提出が義務化されるなど、既に審査強化が始まっています。
売上や利益が極端に低い場合や事業実態が乏しいと判断されれば、
不許可やビザ取り消しも現実に起こりえます。
自宅を事業所と兼ねることは原則として認められず、
改正後の規模に応じた経営活動を行うための独立した事業所の確保が必要です。
また、業務委託を多用して経営者としての活動実態が十分に認められない場合も、
在留資格該当性が否定されます。
今回の改正により、経営・管理ビザの取得難易度は飛躍的に上昇しました。新規申請者は全ての
要件を満たす必要があり、既存保有者も更新時には事業の実態と継続性を厳格に審査されます。
申請を検討される方は、行政書士などの専門家への早期相談を強くお勧めします。