
技術・人文知識・国際業務ビザは、海外のワーキングビザに相当する在留資格で、外国人材が
来日して働くことで、保有している専門的な知識や技術を日本へ還元することが目的です。
2014年の入管法改正により、それまで別々だった「人文知識・国際業務(文系)」と
「技術(理系)」が統合され、同じ会社内で文系の仕事から理系の仕事に変わる場合でも
新たなビザ申請が不要になりました。
学歴の場合、短大を含む大学を卒業している、または日本国内の専門学校を
卒業している必要があり、短大・大学は日本の大学でなくても問題ありません。
職歴の場合、技術・人文知識に関する業務では10年以上の実務経験が必要で、
国際業務に関する業務では3年以上の実務経験が必要です。
高校、大学、専門学校で知識・技術を学んだ期間は実務経験年数に含まれます。
申請人が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必須要件です。
日本人と同種の業務に従事するにも関わらず同等額以上の報酬でないことから
不許可となるケースがあり、これは同一労働同一賃金制度にあたり、
外国人だからといって不当に安い賃金で働かせることはできません。
以前は会計ソフトへの入力等の経理業務や自社HPの作成・更新業務も認められることが
多かったですが、近時は経理業務として専門性が認められるには、単なる会計ソフトへの
入力ではなく、仕訳等の簿記の知識を要する業務であることが求められます。
伝票の入力や給与計算等も一般事務とされ、専門性は認められません。
申請者の本国での犯罪歴はもちろん、申請以前から日本に住んでいた場合は、
日本で何か違反をしていないかも確認されます。
勤務先企業の安定性が求められ、新設会社や勤務先の企業の経営状態がよくないと
審査が厳しくなり、場合によっては不許可となる事例もあります。
海外にいる外国人を呼び寄せて日本で就労してもらう場合、受け入れ企業・団体の担当者が本人の
申請代理人として、または行政書士などが取次者として在留資格認定証明書の交付申請を行います。
日本に住んでいる外国人留学生を採用する場合は、
外国人本人または行政書士・弁護士が在留資格変更許可申請を行う必要があります。
出入国在留管理庁では、就労先となる所属機関(企業や団体など)を規模ごとに
4つのカテゴリーに分類しており、このカテゴリーによって申請に必要な書類が異なります。
日本の証券取引所に上場している企業、保険業を営む相互会社、
日本または外国の国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人などが該当します。
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、
給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人が該当します。
在留資格認定証明書交付申請書、写真(縦4cm×横3cm)、返信用封筒(434円分の切手を
貼付)、大学などの卒業証書の写しや卒業証明書、履歴書、雇用契約書や採用内定通知書の写し
など労働条件を明示する文書、法人登記事項証明書、会社案内書、前年分の給与所得の
源泉徴収票等の法定調書合計表の写し、直近の年度の決算文書の写しなどが必要です。
申請からビザの取得までにかかる期間は、認定申請では約1~3ヶ月、
変更・更新申請では約2週間~1ヶ月です。
申請が増える1~2月あたりでは、審査期間がこれよりも長くなる場合もあります。
外国人本人のこれまでの経歴と、これから就く業務との関連性があるかどうかが最も重要なポイント
となり、これらのポイントが押さえられていないと、申請が不許可になる可能性が高くなります。
申請人の職務内容について詳しく説明した書類が必要で、
申請人の担当職務が一定の専門知識やスキルを必要とする仕事であること、
誰でもできる単純労働ではないことを丁寧に説明する必要があります。
外国人本人の専門的な知識やスキル、感受性を活かせる業務内容ではない場合は、
基本的に技術・人文知識・国際業務の在留資格は取得できません。
特定技能、技能実習、特定活動といった他のビザとの棲み分けを図る必要があるため、
入管庁に認められる専門性が高くなっています。
技術・人文知識・国際業務ビザでは専門性の高い仕事に従事するケースが多いため、
中長期での在留を検討しているケースもあり、
要件を満たしていれば家族滞在ビザで家族を呼び寄せることが可能です。
在留期間5年を取得するためには、申請する方の日本での就労期間も関係し、更新の手続きを重ね、
日本での就労期間が長くなることで、長い期間での在留が認められやすくなります。
不許可になった後に再申請を重ねるにつれて入管の審査が慎重になることから、
ビザ申請の専門家である行政書士に申請代行をする企業も増えてきています。
在留資格認定証明書の交付日から3ヶ月以内に日本に入国しなければならず、
3ヶ月以内に入国しないと有効期限が切れるため注意が必要です。
技術・人文知識・国際業務ビザは最も一般的な就労ビザですが、学歴・経験と業務内容の関連性、
業務の専門性、日本人と同等以上の報酬など、厳格な要件があります。
特に近年は専門性の審査が厳しくなっており、単純作業や一般事務では許可されません。
申請書類の準備や職務内容の説明が複雑なため、専門家への相談をお勧めします。