
介護ビザは2017年に施行された在留資格で、介護職で就労する外国人に
家族帯同や実質無期限の日本在留を認め、派遣契約での受入れも可能なビザです。
介護福祉士の国家資格を持っている外国人が取得でき、
令和4年6月末時点で5,339人の資格保有者が確認されています。
日本の国家資格である「介護福祉士」の資格取得が必要です。
海外でも介護系の資格がある国がありますが、あくまでも日本での資格が必要であるため、
母国で資格をもつ場合でも日本の介護福祉士の資格を取り直す必要があります。
2026年度までに介護福祉士養成校を卒業する留学生については、
卒業年度の翌年4月1日から5年間介護の業務に従事することでも取得可能ですが、
2027年度以降はこの要件は撤廃され、介護福祉士の資格取得が条件となります。
日本の介護施設と雇用契約を締結し、介護が必要な人に対して、
食事、入浴、排せつなどの身体的介護および付随する介護全般業務を行うことが求められます。
入浴、食事の介助等の「介護」業務に従事する必要があり、
洗濯や掃除などの周辺作業は「介護ビザ」の対象とはなりません。
介護ビザで就労する外国人は、日本人と同等以上の待遇で受入れされる必要があります。
外国人という理由で日本人と比較して不平等な待遇で受入れされる場合には、
介護ビザの許可が認められません。
日本人と同じような給料や労働条件で働くことが求められ、経験や役職の違いによる合理的な給与
差は問題ありませんが、外国人だからといって日本人より不利な待遇にすることは認められません。
介護福祉士を取得するためには、次の4つのルートがあります。
①実務経験ルート ②養成施設ルート ③福祉系高校ルート ④EPAルート
外国人留学生として入国し、介護福祉士養成施設で2年間以上勉強し、
必要な知識及び技能を修得した後、介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法です。
技能実習生として入国した方は、介護施設で3年間以上の研修・就労を経験した後、
介護福祉士国家試験に合格する必要があります。
在留資格認定証明書交付申請が必要で、申請書、証明写真、介護福祉士登録証のコピー、
雇用契約書または労働条件通知書、就職先の概要を明らかにする書類などを提出します。
また、404円分の切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。
在留資格変更許可申請を行い、申請書、証明写真、パスポートと在留カードの提示、
介護福祉士登録証のコピー、雇用契約書などを提出します。
変更前の在留資格が期限切れになる前に申請しなければなりません。
介護ビザへの変更が許可された場合は、収入印紙で4,000円の手数料を納付します。
介護ビザを取得するには、日本語能力試験でN2程度の日本語レベルが求められます。
養成校の入学要件もN2程度となっています。
介護ビザ取得者の日本語能力が一番高く、介護福祉士養成施設入学時にはN2相当が必要です。
介護分野で働ける在留資格には、介護ビザの他に以下の3つがあります。
インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国が対象で、日本との協定に基づき、
介護福祉士の資格習得までの4年間、資格習得後の3年間が認められています。
資格取得後は在留期間の更新も可能ですが、4年以内に介護福祉士試験に受からない場合は
帰国しなければなりません。
途上国への技術移転を目的とした制度で、在留期間は最長5年、
更新は原則としてできませんが、特定技能ビザへの移行が可能です。
介護技能評価試験、日本語試験N4、介護日本語評価試験の3つに合格することが要件で、
最長5年間在留可能ですが、家族の帯同は認められていません。
書類は郵送のほか、近年ではオンラインでの申請も可能です。
在留申請オンラインシステムは利用者登録を行えば、無料で使用できます。
マイナンバーカードを所持していれば、窓口ではなくオンライン申請も可能です。
実務経験ルートにより介護福祉士登録した場合で、過去に「技能実習ビザ」で
介護業務に従事していた場合は、日本で修得、習熟または熟達した技能等の本国への
移転に努めるものと認められることも要件となっています。
介護ビザは介護業務そのものに従事するための資格であり、周辺業務のみでは許可されません。
また、派遣契約での受入れも可能という点で、他の就労ビザと異なる特徴があります。
介護ビザを取得することで将来的に日本で永住権を取得できる可能性があります。
日本での永住権を獲得する条件に「10年以上日本で暮らしていること」
「日本で5年以上就労資格や居住資格を持っていること」などがあります。
介護ビザは介護福祉士の国家資格取得が必須条件で、取得難易度は高いものの、
家族帯同や在留期間更新の制限がなく、長期的なキャリア形成が可能な在留資格です。
日本語能力N2レベルが求められるなど、他の介護系ビザと比較して高い専門性が要求されますが、
その分、安定した就労環境が保証されています。
申請を検討する際は、行政書士などの専門家への相談をお勧めします。