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2026年10月18日

特定技能介護で働ける施設・働けない施設

沖縄就労ビザ申請・特定技能の相談窓口

「特定技能の外国人を採用したいけれど、うちの事業所は対象になるのだろうか」
「住宅型の有料老人ホームでも雇えるのか」「人手が足りない訪問介護にも入ってもらえるのか」

介護施設の経営者や施設長の方から、よく聞かれる疑問です。

特定技能「介護」の外国人は、介護の仕事であればどこでも働けるわけではありません。
厚生労働省が定めた「対象施設」に当てはまる事業所でしか働けないルールになっています。

この記事では、働ける施設と働けない施設の違い、判断を誤りやすいケース、2025年に始まった訪問系サービスの取扱いについて、行政書士の立場から整理します。採用を進める前の確認にお役立てください。


結論:判断の基準は「介護福祉士の実務経験として認められる施設か」

特定技能「介護」で働ける施設かどうかは、ひとことで言えば「介護福祉士国家試験の受験資格で、『介護等の業務』の実務経験として認められる施設かどうか」で決まります。
厚生労働省は、この考え方に沿って対象施設の一覧を公表しています。

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、グループホーム、デイサービス、ショートステイなどは、基本的に対象です。

一方、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などは、施設の種類や指定の内容によって対象かどうかが分かれる「一部対象」の扱いです。

また、訪問介護などの訪問系サービスは、2025年4月から一定の条件を満たした場合に限って従事できるようになりました。

「介護をしている施設だから大丈夫だろう」と思い込まず、事業所ごとに一覧と照らし合わせることが大切です。


特定技能「介護」とはどんな制度か

特定技能は、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
介護分野の場合、外国人本人は介護の技能評価試験と日本語の試験に合格する(または介護職種の技能実習2号を良好に修了するなどの免除要件を満たす)ことが前提になります。

受け入れる側の事業者にも、介護分野ならではの基準があります。
その一つが、今回テーマとする「対象施設に該当すること」です。
ほかにも、厚生労働省が設置する協議会の構成員になることや、派遣で働かせないことなどが定められています。


働ける施設の具体例

厚生労働省の対象施設一覧には、介護保険や老人福祉の分野だけでなく、障害福祉や児童福祉の分野の施設・事業も含まれています。

介護保険・老人福祉の分野では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、通所介護(デイサービス)、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)、訪問入浴介護などが掲載されています。

障害福祉の分野では、障害者支援施設、生活介護、短期入所、療養介護、共同生活援助(グループホーム。ただし外部サービス利用型を除きます)などが対象です。
児童福祉の分野でも、児童発達支援や放課後等デイサービス、障害児入所施設などが一覧に含まれています。
このほか、救護施設や病院・診療所なども一覧に掲載されています。


条件付きで対象になる施設(判断が分かれやすいところ)

実務で特に注意が必要なのが、「一部対象」とされている施設です。

まず有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設に限られます。
しかも、外部サービス利用型の特定施設は除かれています。

簡単に言えば、施設の職員が入居者に直接介護サービスを提供する、いわゆる「介護付き」の施設であれば対象になり得るということです。
逆に、入居者が外部の訪問介護事業所などと個別に契約してサービスを受ける「住宅型有料老人ホーム」では、ホームの職員として特定技能外国人を雇うことはできないと考えるのが基本です。

サ高住も、有料老人ホームとしての要件を満たす施設に限り、有料老人ホームとして扱われます。
サ高住の運営形態はさまざまですので、個別の確認が欠かせません。

また、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護は対象施設ですが、一覧の注記で「訪問系サービスに従事することは除く」とされています。
通いや泊まりの場面では働けても、訪問の業務には従事させられない、という線引きです。


訪問介護などの訪問系サービスはどうなったか

以前は、特定技能外国人が訪問介護などの訪問系サービスに従事することは認められていませんでした。
介護職員が利用者の自宅で1対1でサービスを提供するという業務の性質が理由です。

その後、厚生労働省の検討を経て制度が改正され、特定技能については2025年4月21日から、一定の条件のもとで訪問系サービスに従事できるようになりました。

主な条件は次のとおりです。

外国人本人については、介護職員初任者研修などの研修課程を修了していること、そして介護事業所等での実務経験が原則1年以上あることが求められます。

受入れ事業所については、利用者や家族への事前説明を行ったうえで、訪問介護の基本事項に関する研修の実施、一定期間の同行訪問による訓練、本人の意向を確認したキャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止のための相談窓口の設置、緊急時に対応できるICT活用などの環境整備を行うことが求められます。

さらに、これらを実行できる体制があることを書類で示し、協議会事務局(国際厚生事業団)から外国人ごとに「適合確認書」の発行を受ける必要があります。発行後も、1年ごとのキャリアアップ計画の提出(定期報告)が続きます。

「訪問介護も解禁されたから、すぐに入ってもらおう」というわけにはいかない点に注意してください。


受入れまでの基本的な流れ

対象施設であることを確認できたら、受入れは大まかに次の順番で進みます。

1 受け入れる事業所が対象施設に該当するかを、指定通知書などで確認します。

2 厚生労働省の協議会(現在の名称は「介護分野における特定技能・育成就労協議会」)に入会を申請し、受け入れ
 る事業所の情報が登録された入会証明書の発行を受けます。発行まではおおむね2週間程度かかるとされています。

3 入会証明書の写しや誓約書などをそろえ、出入国在留管理局に在留資格の申請を行います。

4 外国人を受け入れた後、4か月以内に協議会の申請システムで外国人の情報を登録します。

以前は「受入れ後4か月以内に協議会へ加入する」という扱いでしたが、2024年6月15日以降は、在留資格の申請前に構成員になっていることが必要になっています。古い情報のまま準備を進めないよう注意が必要です。


行政書士が解説する実務上の注意点

「法人」ではなく「事業所」で判断されます。
同じ法人が特養と住宅型有料老人ホームを運営している場合、特養では働けても、住宅型有料老人ホームの職員としては働けません。採用時は対象の事業所で雇用していても、その後の人員調整で対象外の事業所へ応援に行かせてしまう、というのが見落としやすいポイントです。

異動の前には手続きが必要です。
協議会の入会証明書には受入れ事業所が登録されます。証明書に載っていない事業所で働かせる場合は、すでに働いている外国人の異動であっても、事前に協議会で事業所情報を登録し、証明書の発行を受ける必要があります。あわせて、出入国在留管理局への届出の要否も事前に確認しておきましょう。

併設事業所の業務の線引きをはっきりさせましょう。
沖縄県内でも、有料老人ホームやサ高住に訪問介護事業所やデイサービスを併設する運営形態は珍しくありません。この場合、どの事業所の職員として雇用し、どの業務に従事させるのかを、雇用契約書や勤務表の上でも明確にしておくことが重要です。

派遣では受け入れられません。
介護分野の特定技能雇用契約では、労働者派遣の対象としないことを定める必要があります。人材会社から「派遣で特定技能の介護職員を紹介できる」と言われた場合は、雇用形態を必ず確認してください。

入会証明書には有効期限があります。
入会証明書の有効期間は初回が1年間、更新後が4年間です。期限の4か月前から更新手続きができますので、管理表などで期限を把握しておくと安心です。

制度は変わり続けています。
2027年4月から育成就労制度が始まることを受け、協議会は2026年8月に「介護分野における特定技能・育成就労協議会」として新たに設置されました。今後も運用が変わる可能性があるため、申請の直前には最新の公表資料を確認することをおすすめします。


よくある質問

Q1.住宅型有料老人ホームで特定技能外国人を雇えますか?
住宅型有料老人ホームの職員として介護業務に従事させることは、基本的にできません。有料老人ホームが対象になるのは、特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型を除く)の指定を受けている施設に限られるためです。ただし、併設の別事業所が対象施設に該当すれば、その事業所の職員として受け入れられる可能性はあります。業務の範囲を含めて個別の確認が必要です。

Q2.特定技能外国人に訪問介護をしてもらえますか?
2025年4月21日から、一定の条件のもとで可能になりました。本人が初任者研修などを修了し、原則1年以上の実務経験があること、事業所が研修や同行訪問などの遵守事項に対応できること、そして外国人ごとに適合確認書の発行を受けることが必要です。

Q3.ケアマネジャーの事業所(居宅介護支援事業所)で働けますか?
居宅介護支援事業所は、厚生労働省の対象施設一覧には掲載されていません。特定技能「介護」で想定されているのは身体介護などの「介護等の業務」であり、ケアプラン作成のような業務は対象外と考えられます。

Q4.同じ法人内の別の施設に異動させても問題ありませんか?
異動先が対象施設に該当することが前提です。そのうえで、協議会の入会証明書に異動先の事業所が登録されていなければ、異動の前に事業所情報の登録と証明書の発行を受ける必要があります。

Q5.病院でも受け入れられますか?
対象施設一覧には「病院」「診療所」も掲載されています。ただし、従事できるのはあくまで介護等の業務です。病院での受入れを検討する場合は、配属先の業務内容が要件に合うかを、一覧の注記とあわせて事前に確認してください。


まとめ

特定技能「介護」で働けるかどうかは、介護福祉士の実務経験として認められる施設かどうかが基準です。
特養や老健、グループホーム、デイサービスなどは基本的に対象ですが、有料老人ホームやサ高住は「介護付き(特定施設)」かどうかで判断が分かれます。
訪問系サービスは2025年4月から条件付きで従事できるようになったものの、本人の要件、事業所の遵守事項、適合確認書の手続きが必要です。

また、判断は法人単位ではなく事業所単位で行われ、協議会の入会証明書への事業所登録が在留資格申請の前提になります。
派遣での受入れはできない点も含め、「介護の仕事だから大丈夫」と思い込まずに、一つひとつ確認していくことが適正な受入れへの近道です。


特定技能(介護)の受入れでお悩みの沖縄県内の事業者様へ

「うちの事業所が対象施設に当たるのか、資料を読んでも判断に自信が持てない」「併設事業所があり、どこで雇用するのがよいか整理したい」。こうした段階からのご相談も大歓迎です。

特定技能の手続きは、対象施設の確認、協議会への入会、在留資格の申請、受入れ後の届出と、いくつもの段階に分かれています。最初の判断を誤ると、その後の手続きすべてに影響しかねません。行政書士に相談していただくことで、事業所の指定内容や運営形態を踏まえたうえで、申請前に確認すべき点を整理することができます。

Makaseru行政書士事務所では、沖縄県内の企業・介護事業者の皆さまからの外国人雇用や在留資格に関するご相談をお受けしています。採用計画がまだ固まっていない段階でも構いません。まずはお問い合わせページからお気軽にご連絡ください。

【お問い合わせページ https://makaseru-immigration.com/contact.php】

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